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H15年10月
石持て追われた訳ではないが、古里へ向かう足は重い。心配と「何て馬鹿な事を」という腹立たしさも混じり、複雑である。 働き者が住んでいた。しかし商売は勝敗(しょうばい)。「金がないのは首がないのも同じ」人の本音の怖さが、骨の髄まで染み込んでいる。 そして海外生産による空洞化が、この国で問題になる遙か前に、哀しくも罠に落ちた。 一昔前、地場産業のある町は、群を抜いて裕福であったが、「欲」がその有難さを見失わせた。 (パステル画)